鉄道での貨物の輸送量が多くなるときの
信号を用いない単純な対処法としては次のものがあります。
しかし、信号を用いることで同じ線路を複数の列車が共有して無駄なく使用することができます。
広大な線路網を築いて、そこに多種大量の列車を運行させることがこのゲームの楽しみのひとつであり、
そのためには信号を上手く用いることが必要不可欠です。
このチュートリアルで用いる画像は、左側通行における信号設置の結果です。
あらかじめ、ゲームオプションの「道路の運転方向」を「左側通行」にしておいてください。
鉄道建設ツールバーの信号アイコンをクリックして、
信号設置モード用のカーソルに変化してから、線路スクエアをクリックすると信号が設置されます。
信号を設置後に、再度クリックしたり、
Ctrlを押しながらクリックすることで信号の型が切り換わっていきます。
信号の型には次のようなものがありますが、これらの詳しい説明は後ほど行います。
Ctrlを押しながら線路スクエアをクリックすると腕木式信号(セマフォ)が使用できます。
見た目が違うだけで、機能はまったく同じです
(0.6以降では初期にはセマフォがデフォルトで使用されます)。
信号を撤去したい場合には、信号設置モードのときに「ブルドーザ」アイコンをクリック
するか、キーボードの R を押すことで信号撤去モードになりますので、
撤去したい信号のあるスクエアをクリックしてください。
とりあえず、詳しい説明は抜きにして終端駅での基本的な信号配置を次に示します。
これがどのように動作するのかを説明していきます。
実際の鉄道で使用されている信号の方式はいくつかあるようですが、OpenTTDではブロック信号とパス信号の2種類が基本となります。パス信号については後で解説するとして、ここではブロック信号について解説します。
ブロック信号の基本となるのは閉塞信号です。その原理は、次のように非常に単純なものです。
これを先ほどの例で考えてみましょう。
線路を信号ごとに分けるので次のような閉塞区間に分けることができます。
閉塞信号での列車の移動ルールは次のようになっています。
そこで、それぞれの閉塞区間で移動可能なものを矢印で繋げると次のようになります。
このままでは、複数の列車が衝突してしまうかもしれません。
そこで、それを避けるために次のようなルールがあります。
例えば、閉塞区間3に列車が存在する場合を考えてみましょう。
このとき、閉塞区間3に別の列車を入れると衝突する可能性がありますので、
閉塞区間3に侵入する信号は (移動できないように) 赤になります。
しかし、この時点ではまだ若干の問題があります。
例えば、閉塞区間4と5の両方に列車が存在する場合を考えてみましょう。
ここで、閉塞区間2に列車があり、(閉塞区間4と5の) 駅に向かっている状況を考えてみましょう。
閉塞区間4と5の両方に列車が存在する場合には、
列車は閉塞区間2でどちらかが空くまで待つようにはならないでしょうか?
※停車駅そのものは閉塞区間の境界とはなりません。この点はSimutransと異なるため、Simutransから入ってきたプレイヤーは特に注意しましょう。
先ほどの問題を解決するために、入口信号と出口信号を使用します。
これらは次のような機能を持ちます。
信号 | 機能 |
入口信号 | 通常の信号の機能+隣接する出口信号がすべて赤なら赤 |
出口信号 | |
コンボ信号 | 入口信号+出口信号 |
これらを用いて
これによって、両方の出口信号が赤なら、
閉塞区間3に列車が存在しなくても入口信号が赤になり、
列車はプラットフォームのどちらかが空くまで待つようになります。
(当該区間に接続された閉塞信号やパス信号の動作は、入口信号の動作には関係しません)
実際の画面上の配置を次に示します。
全体としてはSimutransの「入線振分信号」と類似する働きをしますが、駅側にexit信号が必要なことに注意しましょう。Simutransの「プレシグナル」とは名称が類似しますが、その働きは全く異なります。
(コンボ信号の使い方がわかりづらいですが、通常は「入口信号と出口信号の間のブロックで、更に分岐を増やす」場合に使われることが多いです。例…「入口信号の先をコンボ信号で二手に分けて、それぞれを4枝分岐した先に出口信号を設置する」等)
※「配線上の制約により、入口信号から物理的に列車が到達できない線路に設置された出口信号」であっても、当該出口信号が青になると、仕様上入口信号は青になってしまいます。複数の入口を持つ区間に入口信号・出口信号の組を設置する場合、この点注意する必要があります。
これまで紹介してきた信号は、総称して「ブロック信号」と呼ばれます。OpenTTDには、ブロック信号とは別に、全くメカニズムの異なる「パス信号」と呼ばれる方式の信号を設置することが可能です。
パス信号での列車の移動ルールは次のようになっています。
ルールが少々面倒ですが、一度理解してしまえば、パス信号のみで実用レベルの信号システムを一通り構築することができるので便利です。
※「Simutransの信号は、基本的にパス信号である」と考えていただいて差し支えありません。但し、Simutransの場合は、「信号以外に、停車駅もパス判定の切れ目となる」のが大きな違いとなります。
よりよい信号設置を理解するためには、既存のいろいろな配置をいじってみるとよいでしょう。
ここに挙げる海外のサイトには駅やインターチェンジの手法が紹介されています。
英語が苦手であるとしても画像を見るだけでも価値があります。
※まず日本ではお目にかかることができない「双単線」を実現した例もあり、日本の鉄道文化に慣れた人が見ると面食らうかもしれません
OpenTTDのパス信号についての日本語による解説が著しく不足している一方、挙動が類似するSimutransの信号についての日本語による解説は充実しています。そちらへのリンクも合わせて記載しておきます。
※OpenTTDのパス信号とSimutransの信号には、挙動が異なる点もあります。その点を踏まえてご活用ください。