[[チュートリアル]] * 鉄道による貨物輸送 [#sa531828] #contents OpenTTDでの輸送手段は大きく鉄道、自動車、船舶、飛行機の4つに分けられます。 その中でも鉄道は輸送速度と輸送量のバランスがよく、コストパフォーマンスに優れており、 OpenTTDでもっとも重要な輸送手段です。 このチュートリアルではゲーム開始直後に収入源となる貨物輸送を通じて、 鉄道を用いた輸送の基礎について説明します。 ** 輸送品目の選択 [#q4040e52] ゲームが開始したら、すぐに[グラフ]→[貨物料金グラフ]を選択してください。 #ref(t001.png,nolink) 次のようなグラフが表示されます。 #ref(t002.png,nolink) このグラフは、ある輸送物10単位を20スクエア離れた駅に輸送したときに 輸送日数によってどのように収入が変化するのかを示したもので、 横軸は輸送日数で縦軸は収入となります。 例えば、乗客10人を20スクエア離れた駅に輸送したときの収入は約150ドルになります。 今回は短かい距離の貨物輸送を考えているため、グラフの左を見ます。 単価では高い順に貴重品、商品、石炭、鉄鋼、鉄鋼石、木材、……、乗客となっていることがわかります。 これだけ見ると貴重品を運べばよいことになりますが、序盤には貴重品が存在しないため運ぶ機会がありません。 それ以外にも、今回は次の品目は除外することにします。 - 貴重品 (ゲーム序盤には銀行がない) - 商品 (最終加工物でありややこしい) - 鉄鋼 (加工物であり少々ややこしい) - 家畜と穀物 (農場の生産量は高いが農地の破壊による鉄道敷設コストが高くなる) //- 乗客は元々単価が安い上にゲーム序盤では(都市規模が小さいので)輸送量が少ないため大きな利益を得ることができません 以上から、今回は石炭、鉄鉱石、木材あたりの輸送を考えてみます。 ※Simutransとは異なり、多段の産業チェーンでも、すべての輸送ルートを一度に完成させる必要ははりません。例えば、「鉄鉱石を鉄鉱山から製鉄所に運ぶ輸送ルート」のみを構築することが可能です。 実際には次の点も考慮するとよいかも知れません。 - 乗り物の運行コスト - ゲーム開始時点では(低速な)輸送手段がメインであること ~ -- 長距離になるときには収入が下がるかもしれません(グラフの右側) ** 対象施設の選択 [#ed3eede7] どの工場からどの工場へ何を輸送するのかを決めます。 これを決めるのは、一見非常に手間がかかるように思えますが、実際にはそれほどではありません。 なぜなら、OpenTTDでは貨物の受け入れでの貨物量の制限がないため、 輸送元の工場の生産量が高いほど、貨物輸送量が増えて得られる収入も高くなるからです。 また、貨物種別さえ合致しているならば、輸送元と輸送先の組み合わせに制限はありません。 「A発電所では、A炭鉱で生産された石炭は受け付けるが、B炭鉱で生産された石炭は受け付けない」といったことはないのです。 そのため、生産量が高い工場から順に鉄道敷設に適しているかどうかを調べていくのが定石となります。 ※「貨物の受け入れでの貨物量の制限がない」「輸送元と輸送先の組み合わせに制限がない」点は、Simutransとは異なりますので、Simutransから入ってきたプレイヤーは注意しましょう。 では、実際にやってみましょう。 [工場一覧]を開いて、[生産量]でソートさせて下さい。 #ref(t003.png,nolink) #ref(t004.png,nolink) 那覇炭鉱が生産量が一番高いようですので詳しく調べてみましょう。 工場一覧から那覇炭鉱の項目をクリックすると、那覇炭鉱の所在地に移動します。 さらに、那覇炭鉱が存在しているスクエアをクリックして、 詳細ウィンドウで生産量などを確認しましょう。 #ref(t005.png,nolink) 続いて、ミニマップを開いて輸送先の工場がどのあたりにあるのかを確認しましょう。 右下のアイコンによって表示種類を変更することができます。 今回は工場種別を表示しています。 #ref(t006.png,nolink) 石炭は炭鉱から発電所に輸送しなければなりませんが、 このミニマップによると、那覇炭鉱からミニマップで見て上のほうに 赤い四角形があり、ここに発電所があることがわかります。 ちょっと全体画面を上にスクロールさせてみましょう。 #ref(t007.png,nolink) 豊岡発電所がありました。 那覇炭鉱→豊岡発電所の経路が鉄道敷設に適しているかどうかを確認します。 鉄道敷設に適しているかどうかは大雑把には次のような基準が考えられます。 - 輸送先となる工場との距離 -- 遠すぎると線路敷設コストが高くなるが、近すぎると得られる収入も少くなります - 敷設する経路の土地の起伏 -- 途中に山がある場合、迂回したりトンネルを通さなければならないことがあります。 -- ゲーム初期の車両は坂道では非常に遅くなります (貨物が多い場合は特に) - その他の避けるべき要因 -- 農地 (破壊コストが高い) -- 海や湖 (橋の建設コストが高い) 距離はやや近いようですが、平地が多いので線路を引くのに問題はなさそうです。 また、那覇炭鉱近くに農場がありますが、線路敷設に影響することはなさそうです。 そこで、那覇炭鉱から豊岡発電所に石炭を輸送することにします。 - 今回はひとつめの項目が適していたのですが、そうでない場合には、玉野炭鉱、岩滝炭鉱、…と順番に調べていきます。 ** 駅の建設 [#lf6b745c] まず輸送元と輸送先となる2つの駅を建設します。 画面上のツールバーから線路アイコンをクリックしてください。 すると、次の鉄道建設ツールバーが表示されます。 #ref(t008.png,nolink) それから、このツールバーの真ん中あたりにある駅建設アイコンをクリックします。 すると、次のウィンドウが表示され、駅が建設できるようになります。 #ref(t009.png,nolink) それでは、輸送先となる那覇炭鉱に駅を建設してみましょう。 駅の方向が間違っていないか確認した上で、建設したい領域をマウスでドラッグすることで、 プラットフォームが1つで長さが4スクエアの駅を建設します。 #ref(t010.png,nolink) 那覇高地駅が建設されました(駅名は自動的に付けられます)。 #ref(t011.png,nolink) 続いて、発電所側にも駅を建設します。 後の拡張などを考えないのであれば、輸送元と輸送先の駅の大きさは同じにしておくとよいでしょう。 #ref(t012.png,nolink) - ゲームの一時停止中には建設や破壊ができませんので注意してください -- この点Simutransとは異なります、Simutransから入ってきたプレイヤーは特に注意 - デフォルトではドラッグ&ドロップによって建設できるようになっているため、 「プラットフォームの数」と「プラットフォームの長さ」はいじる必要はありません - 例では工場に駅を隣接させていますが、その必要はありません。 「対象範囲をハイライト表示」をオンにした範囲内に工場があればよいです - 「対象範囲をハイライト表示」をオンにした場合、 「駅の選択」ウィンドウの「受入」も注意するとよいでしょう。 上の例では発電所側の駅を建設するときに、受入に石炭が表示されます ** 線路の敷設 [#ica8ffce] 自動敷設モードを使用するのが一番簡単です。 ドラッグで線路を敷設していくことができます。 #ref(t013.png,nolink) 北那覇駅と那覇高地駅を繋げました。 #ref(t014.png,nolink) - Ctrlを押しながら建設することで、既存の線路を削除することができます - 他の4つの線路敷設モードはTTD互換のモードであり、今さら使用する必要はないでしょう - 列車は90度に曲がることはできないので、線路敷設はそれを念頭に置く必要があります -- 特に車庫建設時には注意が必要です -- Simutransとの相違点の一つでもあるので、Simutransから入ってきたプレイヤーは注意が必要です ** 車庫の建設 [#q03142fa] 線路で繋げただけでは意味がないので、 貨物を輸送するために貨物列車を運行させなければなりません。 そこで、列車を購入するために車庫を建設します。 車庫は駅と同じで鉄道建設ツールバーから建設します。 #ref(t015.png,nolink) 線路に隣接するスクエアであればどこに建設してもよいのですが、 貨物列車がすぐに石炭を積みに行くことができるように 炭鉱側の那覇高地駅付近に車庫を建設します。 ※車庫の方向には気を付けてください。 ※既設線路上に車庫は建設できません。この点「車庫に至る線路を先に敷設し、線路上に車庫を建設する」Simutransの車庫建設とは異なりますので、Simutransから入ってきたプレイヤーは注意しましょう。 #ref(t016.png,nolink) ** 車両の購入 [#b95d064e] 車両を購入するために車庫をクリックします。 すると、次のようなウィンドウが表示されます。 #ref(t017.png,nolink) これはこの車庫の中に存在する車両の一覧で、当然ながら車両はありません。 車両を購入するために、左下の「車両作成」ボタンをクリックすると、 鉄道車両作成ウィンドウが表示されます。 #ref(t018.png,nolink) まず、エンジン部分を購入します。 車両一覧にはエンジン部として蒸気機関車が3つありますが、 序盤なので一番安いものを購入しましょう。 「Kirby Paul Tank」を選択して、「車両作成」をクリックします。 すると、車庫にエンジン部分が追加されると同時に、次のようなウィンドウが表示されます (このウィンドウは後で使用しますので消さないでください)。 #ref(t019.png,nolink) 続いて、石炭を積むための貨物車両を購入します。 何両購入するのかは工場の生産量に依存しますが、次の点も考慮すべきです。 - 列車全体の長さが駅の長さ内に収める必要があります - 通常、1両は1/2スクエアです (例えば、プラットフォームの長さが4の駅に適した最大の車両長は8となります) - 貨物車両が少ないと積載量が少なくなり、駅に貨物が溜りやすくなります - 貨物車両が多いと積載量が多くなり、列車が駅で長く待つようになります(駅で待機中でも、稼動コストがかかって信頼性も下がるためよいことではありません) -- 「駅で待機中でも稼働コストがかかる」という点は、Simutransとは異なりますので、Simutransから入ってきたプレイヤーは注意が必要です 今回は、(多めな気もしますが)貨物車両を7両購入します。 #ref(t020.png,nolink) ** 車両への命令 [#i2653353] 列車に命令がないために、このままでは石炭を運ぶことはできません。 そこで、石炭を那覇高地から北那覇に運ぶように列車に命令を与えます。 列車ウィンドウの右側にある矢印アイコンをクリックして命令ウィンドウを表示させてください。 #ref(t021.png,nolink) 「移動」をクリックすると、目的地選択のためにカーソルが変化しますので、那覇高地駅をクリックします (駅のどのスクエアでも構いません)。 続いて、同様に「移動」をクリックして北那覇駅をクリックしてください。 ※Simutransと異なり、発着ホーム込みで駅のスクエアを指定する必要はありません。逆に、発着ホームを指定することもできません。 #ref(t022.png,nolink) この時点で、那覇高地→北那覇の運行を繰り返すようになります。 しかし、これだけでは列車は那覇高地で積荷が一杯になるのを待たずに発車してしまうでしょう。 これを防ぐために、「那覇高地へ移動」をクリックしてから、 「荷上げ」をクリックして「那覇高地へ移動 (荷上げ)」にします。 #ref(t023.png,nolink) 逆に、積荷を降ろすときは全てを降ろすまで待つので、「荷下ろし」を指定する必要はありません (「荷下ろし」は受け入れていない積荷を無理矢理降ろすための命令です)。 ** 車両の発車 [#p54d4b99] 最後に車両を発車させて下さい。 車両ウィンドウの一番下の「停止」と書かれたボタンをクリックすると発車します。 那覇高地に向かって積荷を待ちます。 列車ウィンドウの矢印アイコンの下の「情報」アイコンをクリックしてすると、 次のようなウィンドウが表示され、この列車に石炭が積まれていることがわかります。 #ref(t024.png,nolink) この列車は積荷が一杯になったら豊岡発電所に向かい、石炭を降ろして利益を得ます。 利益を得たことを確認できた時点でこのチュートリアルは完了です。 #ref(t025.png,nolink) ** 助成金について [#b71be7e6] OpenTTDでは、会社に特定の経路を運行させる動機づけのために、助成金というものが用意されています。 これは、ルートと荷物が指定されており、指定された期間までにその経路で輸送した最初の会社に権利が与えられます。 助成金が与えられる期間は1年間で、その期間の積荷の収入が2〜4倍になります (難易度設定によります)。 助成金が与えられる運行は通常3つほど用意されており、これらは助成金ウィンドウで確認することができます。 #ref(t026.png,nolink) - 対象ルートで対象の荷物を初めて降ろした時点で助成金が確定します - 元の輸送量が少ないと利益も少なくなりますので注意してください ** Tips [#y57a6d09] - 各ボタンの簡単な説明が欲しければ、そのボタン上で右クリックしてください - 収入のときの距離にはマンハッタン距離を用います。 輸送元の座標を(x, y)、輸送先の座標を(X, Y)としたとき、 |x - X| + |y - Y| となります。